決済回数100億回の大台へ

スマートフォンを活用したQRコード決済が、私たちの生活に深く根付き、決済インフラとしての地位を確立しつつあります。2023年の決済回数は93億回と前年比3割増という驚異的な伸びを示し、100億回の大台突破も間近です。キャッシュレス決済の主流であるクレジットカードの利用を上回る勢いで、その普及はますます加速しています。

QRコード決済が選ばれる理由は？

QRコード決済がこれほどまでに急速に普及した背景には、いくつかの要因が考えられます。

利便性の高さ

スマートフォン一つで手軽に決済できること、少額決済に強いことなど、ユーザーにとっての利便性が非常に高い点が挙げられます。

ポイント還元やキャンペーン

各サービスが独自のポイント還元やキャンペーンを実施することで、ユーザーの利用意欲を刺激しています。

コロナ禍における非接触決済の需要

新型コロナウイルス感染症の拡大により、非接触型の決済手段に対するニーズが高まりました。

QRコード決済の課題と今後の展望

一方で、QRコード決済の普及に伴い、いくつかの課題も浮き彫りになってきています。

サービスの乱立

多数のサービスが競合しており、ユーザーはどのサービスを選ぶべきか迷う状況です。

セキュリティへの懸念

個人情報漏洩や不正利用のリスクが常に存在し、ユーザーの不安を煽ることもあります。

古参サービスの終了

競争が激化する中で、一部のサービスは利用者数の減少や採算性の悪化を理由にサービスを終了せざるを得ない状況に陥っています。

こうした課題を克服し、さらなる成長を遂げるためには、各サービスがより一層の利便性向上やセキュリティ対策に力を入れるとともに、ユーザーのニーズに合ったサービスの開発が求められます。

QRコード決済普及がもたらす社会への影響

QRコード決済の普及は、私たちの社会にも大きな影響を与えています。

キャッシュレス化が加速し、現金社会からキャッシュレス社会への移行が加速して社会全体の効率化が期待されます。
また小売業の変革も起きてもおり、QRコード決済対応ができるお店が増えたり、個人事業主や新規でお店を立ち上げようとする人も増えてきています。もちろん顧客の利便性向上や新たなビジネスモデルの創出が期待できます。
さらにデータ活用マーケティングの質が向上もかかせない影響でしょう。決済データ分析を通じて、より精度の高いマーケティング活動が可能になり、ムダやムラが発生しない社会になりつつあります。

またQRコード決済は、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めた技術です。今後もその普及はますます加速していくことが予想されますが、一方で、サービスの乱立やセキュリティの問題など、解決すべき課題も多く残されています。

各企業は、ユーザーの利便性を第一に考え、安全で安心して利用できるサービスを提供していくことが求められます。また、政府や業界団体は、QRコード決済の普及を後押しするための制度整備やガイドラインの策定を進める必要があるでしょう。

※QRコードは株式会社デンソー ウェーブ の登録商標です