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アジア

中国の会員制倉庫型店の現状 2024年急成長する市場

はじめに

中国における会員制倉庫型店(ホールセール/ホールセラー)の市場は、近年急速に拡大しています。コストコやアリババなど、国内外の企業が続々と参入し、消費者の購買行動を大きく変えています。本記事では、中国会員制倉庫型店の現状、市場の特徴、成功事例、そして今後の展望について、詳細に分析します。

中国会員制倉庫型店の市場拡大

中国の会員制倉庫型店市場は、ここ数年で目覚ましい成長を見せています。以前は、中国消費者には会員制の大型倉庫店はまとめて購入するために買い物に行くのにマイカーでという習慣がなく、また年会費を支払うことに対して馴染みもなかったことがあり普及するまでには時間と工夫が必要でした。ただこちらを記載(2024年)した年では、大きく状況が変わったことを紹介いたします。

その背景には、以下の要因が挙げられます。


コロナ禍の影響

新型コロナウイルス感染症の流行により、自宅で過ごす時間が増え、狭いスーパーで密集した人が集まるなかでの購入に懸念をもつ顧客が増え、外出を控えるための常備品や大容量商品を購入する傾向が強まりました。ちょうど大型倉庫店が進出ふくめてのタイミングと、会員制倉庫型店は、この変化に対応し、ニーズに応じた新たな顧客層を獲得しました。

中産階級の拡大

中国では中産階級が拡大し、高品質な商品を求める消費者が増えています。店舗側もニーズに応えるため商品力をあげて、普段とは異なる家庭やお店では食べることができないローストチキン等の食品や、大容量で購入できるお菓子、海外から輸入された化粧品や美容・健康家電、調理器具、大型家電など、少しリッチに感じることができる商品レパートリーを常に用意されています。


Eコマースの発達及び融合

コロナ禍以前からも、もともとEコマースが非常に発達しており、オンラインとオフラインを融合した新しい小売業態を展開するなどしていました。会員制倉庫型店も、オンラインでの商品購入と店舗での受け取りを組み合わせるなど、O2O戦略を積極的に展開しています。

市場の特徴

中国の会員制倉庫型店市場は、以下の特徴を持っています。


競争の激化

コストコやウォルマートの海外企業をはじめ、本国の商習慣やECも熟知しているアリババ、京東などの地元中国である大手企業が参入し、競争が激化しています。各社は顧客拡大のために、プライベートブランドの強化や、独自サービスの提供など、差別化を図っています。年齢層も当初は中産階級など年齢層やターゲットを絞った展開をしていましたが、SNSでの情報発信や、体験型イベントの開催、目新しい商品が多いことなが影響し、若年層に合わせたマーケティング戦略も展開しています。


都市部への集中

サービスが始まる最初の一号店は、上海や北京などの大都市を中心に店舗展開が進められました。しかし、現在は二線都市や地方都市への進出も加速しており、どのような都市や地域が選ばれてるかは下記の成功事例で紹介いたします。

成功事例

中国における会員制倉庫型店の成功事例として、以下のような企業が挙げられます。

アリババ

中国最大のEコマース企業であるアリババは、自社のプラットフォームを活用し、会員制倉庫型店事業を展開しています。オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐことで、新たな顧客体験を提供しています。生鮮スーパーを「フーマー・フレッシュ(盒馬鮮生)」や「フーマーX(盒馬 X 会員店)」、会員制大型スーパーを「RTマート(大潤発)」等の業態や特化したサービス内容を変え様々に展開している。

コストコ(Costco/开市客/開市客)

アメリカ発祥のコストコは、中国でも高い人気を誇っています。大容量の商品や、食品サンプルの展示など、アメリカと同様の店舗運営を行っています。店舗数は、2024年9月現在で7店舗(上海・上海浦東・蘇州・杭州・寧波・深圳・南京)、会員制大型スーパーとして日本でも馴染みが深いのですが、商品レパートリーが違ったり、カード会員証を発行しなかったり、決済方法に電子マネーがあったりと中国本土にマッチした特性ももっています。

サムズクラブ(Sam’s Club/山姆會員商店)

アメリカ系のウォルマート傘下でもある会員制大型スーパー。店舗は上記コストコを上回る店舗数があり、商品数も試食なども実施されていて会員アプリやウェブからは期間限定の値下がり商品や、リピートが多い商品、新商品などがわかりやすい設計になっています。また便利なのが「宅配サービス」で当日配送や、翌日配送もお買い上げの価格や重量などから無料になるサービスもあります。

中国大型倉庫型店の今後の展望

中国の会員制倉庫型店市場は、今後もさらなる成長が期待されています。


プライベートブランドの強化として各社が自社ブランド商品の開発に力を入れることで、差別化を図るとともに、収益性の向上を目指すことが予測され、昨今関心度が高い環境問題(サステナビリティ)への取り組みも活発化され、環境に優しく自分の肌もきれいになったり、健康的な生活がおくれるようになるためのサステナブル商品が増えることが予想されます。


また地域に根ざした店舗づくりや新しい取り組みをおこなう店舗も増えてくることが予測され、都市部だけでなく、地方都市においても、地域に根ざした店舗づくりが求められます。実際に、コストコ中国本土7店舗目となる2024年度に南京市にできたお店では、1,000台規模の大きな駐車場を完備し、車間距離もうまくとれ同時に24台を給油できる回転効率の良いガソリンスタンドも併設されています。商品の目新しさも重要ですが、地域に適したサービスも増えてくるでしょう。

まとめ

中国の会員制倉庫型店市場は、中産階級の拡大やEコマースの発展を背景に、急速に拡大しています。私たち日本人の馴染みがある海外企業のコストコやウォルマートだけでなく、アリババや京東などの中国本土の大手企業が参入し、競争が激化していますが、今後もさらなる成長期待が高い市場となっています。

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