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インタビュー

事前オンライン決済が好評「ドライブスルーふくおか」の快進撃

※本記事は2020年に作成された、当社パートナー企業のLBB様とUnivaPayのパートナー連携事例です。

5月5日から地域の飲食店有志が結集し、福岡市の中村学園大学構内でドライブスルー形式でお弁当販売を開始した。5月15日現在、27社27種類のラインナップがある。売上のうち3%分を医療関係団体に弁当を届けるという慈善活動の側面もある。

自粛生活で地域の飲食店が閉まる中、人気店の弁当が勢ぞろいし、一カ所で買えるとあって地域住民からも高い支持を受けている。5月中は16日(土)、17日(日)にも実施した。

活動は最初から順調だったわけではない。単にドライブスルーにすればよい訳でなかった。ドライブスルー販売ならではの課題が多数出現したのだ。
中でも問題だったのは渋滞。販売窓口の混雑から渋滞が発生し、場所を提供頂いている大学側から苦言を受け、一時は今後の活動停止も宣告されそうになった。

竹下会長や有志メンバーはいかにしてこの問題を解決したのか。
設立の経緯、問題点と解決に至った方法、今後についてなど、ドライブスルーふくおかについて、竹下会長に聞いてみた。

誰もが「Win」する活動「ドライブスルーふくおか」の設立秘話

Q:「ドライブスルーふくおか」の反響は

地域の有志で集まって頂いた外食事業者13社が参加していますが、各社規模はバラバラです。個人事業の店舗もあります。
参加事業者の中で売上がゼロ円になった事業者もあって、そういう場合現金がなく、今月の家賃が払うのが厳しいという事業者の方もいらっしゃいました。
そういう状況でしたから、参加事業者さんからはこの活動は「とてもありがたい」「助かった」というお声を頂いています。

この活動で1日あたり7~10万円の現金が入り、さらに休業している従業員も仕事を得られます。
第一回目の活動に参加してくださった店舗の皆さんは、1店舗も離脱することなく次の活動にも参加頂きました。

テイクアウトをしているお店は珍しくないですが、単独だと集客面が厳しい面があります。この活動では13社が集まっていることでラインナップも充実し、コンテンツとしても魅力が高まることで高い反響や集客力が得られました。

今後の飲食サービスの在り方が見えた気がします。協力し、利用者をシェアすれば先が見えてくる。ドライブスルーは根付いてきていますから、今後いろんなイベントに転用できるでしょう。

この活動は飲食店側だけじゃなく、やってくるお客さんにも喜んで頂いています。

博多など繁華街は自粛のレベルが高く、お店はほとんど閉まっています。
お客さんらは、ゴールデンウィーク中に自粛で外に出られない日々が続いていましたから、このようなイベントがあると外出目的が出来きて助かると、お客さんからお手紙やフェイスブックでの喜びのメッセージも頂いています。

しかもクルマでの来場なので、感染対策や安全性は確保されています。

市民からは応援のメッセージも

Q:プロジェクト設立のきっかけは?

私の会社(クックチャムプラスシー)は持ち帰り用の総菜販売をしていますが、これが国の休業対象になるか分からず行政に相談していた時の雑談から生まれた活動です。

当初は当社1社(クックチャム)がコロナの指定病院にお弁当を差し入れするつもりでしたが、同席の方からほかの街でドライブスルー販売をしていると聞いて、ドライブスルーと掛け合わせてなんとかできないかという話に発展しました。
それで早速、先月29日から知り合いの飲食店を募り、今月5日に第一回を開催しました。

この活動は飲食店を売上救済のためのボランティアとして始めました。賛同者や関係者が増えた今でも、その心は変わっていません。

医療従事者にちょっとしたプラスをしたいと思い、売上の3%分のお弁当を医療従事者に届けます。
でも第一はあくまで飲食店の存続のために行っています。飲食店が存続してこそ、この活動も存続できますから、そこの順番は間違えないように気を付けています。

渋滞問題発生で存続危機!その解決策は

Q:LBB(オンライン事前決済)を導入してどう変わったか

当初、当日決済ありで運用していました。すると来客数が多く、当日その場で注文・決済をしていたため渋滞が発生し、場所を貸してもらっている中村学園大学から「次からはちょっと…」と難色を示されました。構内や幹線道路に20台ほど渋滞するような事態になっていたのです。

来客車が並ぶ中村学園前

活動がいかに素晴らしくても、地域住民や他の方に迷惑を掛けたら元も子もない。

ドライブスルー活動というと、他所では警察が出動するような渋滞が発生することもあったようです。これを対策せねばと考えていろいろと対策を立てたのですが、そのひとつが完全予約制にして前日、事前にオンライン決済にすることでした。対策は功を奏し、大学とも良好で、再び中村学園大学で開催できました。

事前にオーダーと決済を終えた状態で来場して頂くことで、会計プロセスがなくなり、弁当を渡すだけにすることで大幅に応対の時間を減らすことができました。

これに加え、受取時間を2部制にすることで渋滞は無くなりました。最初は想定していなくて、実際にやってみてその効果が分かったことのひとつです。QRコードや現金の当日現地決済では渋滞解消は無理でした。

決済プロセスを事前に済ませておくことで、接触も減らすことができて、よりコロナの予防にもつながります。

Q:LBB導入の反響は

お客さんからは操作性がいいとか、分かりやすいという声を頂いています。オーダーもしやすかった。

事前オーダーと決済をしてもらって、当日は名前を告げるだけで受け取りができるようにしたので、開催を重ねるごとに来場者数は増えたのですが、渋滞はゼロでした。

10日開催時は2000食が完売しました。ここまで販売数を増やせたのも渋滞の解消ができたお陰です。

当日、予約せずいらしてしまうお客さんもいて、お帰り頂くなどもありましたが、思った以上にお客さんの多くは事前決済に順応してくれていました。

全国どこでも実施ができる。自粛生活下の飲食店の希望の光に

Q:今後「ドライブスルーふくおか」はどうしていくのか

ここだけじゃなく、他地域にも広がってくれればと思っているが、我々では限界もあります。

そこで、各町・各地域で有志が立ってやってくれるのであればそれが広がる第一歩だと思っています。もし同様の活動をしたい場合は、想いを同じくする方ならノウハウを提供します。

中心街に十数店舗という規模じゃなくても、例えば数店舗で郊外の神社や広場でドライブスルー提供をするのもありだと思っています。

主婦の方に話を聞くと、毎食作るのに限界を感じていると言います。郊外で夕食を帰りに買って帰ったりできるよう、ランチだけじゃなくディナータイムでの提供などもいいんじゃないかと。

各地・町のやり方があると思うので、今回の事例を基本パッケージとしてノウハウ提供できればなと考えています。

今回、「ドライブスルーふくおか」にレンタカーやタクシーで来場頂く方も見受けられました。そこでタクシー会社と連携してドライブスルーを実施するなど、いろいろできそうですね。

対面を極力少なくすることで感染拡大を防ぐ

Q:「ドライブスルーふくおか」参加店舗の方々にひとこと

私は会長とはなっていますが、あくまで発起人なだけで、参加者はみなさん並列の関係です。ご協力頂いて本当にありがたい。感謝しかありません。

私自身、やってみて楽しかったんですよ。とても信じられないくらいスピード感があって、集まってやると、こんなにパワフルなんだなと思いました。素晴らしい取り組みです。

この活動がなかったら飲食店の方とここまでつながることは無かったと思う。この縁を今後も大事にしていきたいです。

■ドライブスルーふくおかとは

有志で募ったメンバー(飲食店)がドライブスルー形式で弁当を販売する企画。

前日事前に注文と決済を行うことで、当日は受け取りだけに集中でき、スムーズに運営することでより多くの販売数や来場者確保に成功。10日には20種類以上の弁当が並び、1日2000食販売を達成した。

5月5日にスタートし、6日、9日、10日と開催を重ねるごとに来場者数と販売数が増加。メディアにも取り上げられている。

5月は「ドライブスルーふくおかlunch in RKB百道浜」と称し、16日(土)、17日(日)に開催した。

場所はRKB毎日放送の駐車場(福岡市早良区百道浜2-3-8)。前日までの完全予約制で受け取り時間は10時30分~12時と12時~13時のどちらかを選べる。

コロナ感染拡大防止の観点から自動車以外での来場や入場は不可。

竹下会長プロフィール

竹下啓介(たけしたけいすけ)

愛媛県出身

株式会社クックチャムプラスシー 代表取締役
株式会社クック・チャム 取締役
ドライブスルーふくおか会長